30年前のインド旅行記

学者兼会社員58歳が30年前のインド、ネパール珍道中日記を書き起こします。

あとがき

牛はつかまえられたのか

この日記のタイトルにした「CATCH BULL」とは、仏教の悟りにいたる道筋を絵で表した十牛図の中の「得牛」のことである。得牛とは、力づくで牛をつかまえること。10枚の中でもまだ4枚目の、何とか悟りの実態をつかみつつあるものの、いまだ自分のものになっていない状態のことを表している。しかし、力づくでもなんでも、牛をつかまえられたら、それはそれですごいことである。この旅では、成田の出だしから、タージマハールの一件に至るまで、「CATCH BULL」どころか、惑わされっぱなし、おちょくられっぱなしだった。そして旅の後半のプリ―の浜辺にも、なぜか一頭の牛がふらっと現れ、そしていつのまにか、いなくなってしまった。

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いつか再訪してみたい国

私自身、その後の30年間で、様々な国を訪れ、様々な経験をした。数か月間、海外でアパートを借りて、家族と一緒に生活したこともあった。しかし、この最初に訪れたインドほど、自分にとって、印象深い国はない。よく、一度インドに行くと、また訪れてみたいという人と、二度と訪れたくないという人に二分されると言われる。その後インドには、なぜか一度も行く機会はなかったが、チャンスさえあれば、ぜひまた訪れてみたい国である。インドファンになったとか、インドにすごくはまったというわけでもない。単に、前回の3週間の旅では、一部の地域しかまわることができず、インドの全容を知ったとは言えないからである。おそらく、何回行っても、その全容をつかむことなど無理なのだろう。しかし機会があれば、また訪れ、今の自分とインドやネパールの、変わった姿と変わらない姿を、改めて見て、感じてみたい。そして、「牛」と今の自分との関係がどうなっているのかも。。。

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