30年前のインド旅行記

学者兼会社員58歳が30年前のインド、ネパール珍道中日記を書き起こします。

ネパールの新年

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山並みをぬって、バスはひた走る

日本にいれば元旦という晴れの日となるはずの朝、特に変わったこともなく、いかにも当たり前の日常的な景色で1日が始まった。ここは、さすがに国境の町だけあって、ネパール人とインド人の2つのタイプの人たちがごちゃごちゃしている。ネパール人はわれわれ日本人と、顔つきや体型などがよく似ている。

午前8時半。これまで乗ってきたインド側のバスから、ネパール側に引き継ぐと、思わぬことにバスはオンタイムで出発。今日もまた例の6人で貸切だと思っていたこっちの思惑とはうって変って、途中からどんどん人が乗ってくる。そして、最後に女子学生の集団が乗って、あっという間に満員になってしまった。バスから眺める沿道の風景は、日本の田舎と、とても似ている。インドから来てみると、ちょっとほっとする景色だ。バスは山並みをぬって走って行く。道は案外良く、舗装も整っている。そのうちにさっきの女子学生たちが誰からともなく、みんなで大きな声で歌い始めた。一つの曲が終わると次から次へと別の曲を歌い継いでいく。彼女たちは服装からしても、わりといい家庭の子達なんだろう。くったくなく、悩みのない、よくはずんで、張りがある歌声だ。聴いているうちに、こちらまでだんだん和やかな気持ちになってくる。

ついに、ポカラ到着

午後5時半。さすがに、もううんざりという頃に、バスはポカラに着いた。しかし途中で見たエベレストの白壁は、本当に見事だった。ポカラでの宿は、2日間一緒だったオーストラリア人お薦めのニューツーリストゲストハウスがいっぱいで、いろいろ探してるうちに、僕らはここ、ババロッジに来ている。正月という理由でちょっと贅沢をすることにした。1泊2人で140ルピー。何故か、お腹の調子は元に戻り快調だ。それではおやすみなさい。