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30年前のインド旅行記

学者兼会社員58歳が30年前のインド、ネパール珍道中日記を書き起こします。

いよいよ出発のはずが・・・

いよいよ出発の日

午前7時半起床。いつものように、寝ぼけ眼で目が覚めた。でも今日は、インドに行く日、夜中にはデリーに着いているはずだ。しかし、この2週間、飛行機の予約が取れてから、ビザの申請、ペストの予防注射、その間隙をぬって、会社の仕事、仕事、仕事。ここ数日で実感したのは、仕事に対して期限があるんじゃなくて、期限に対して仕事があるんだってことだ。そして、その通り、昨日までにはなんとか仕事をやり終えた。

正月休みを挟んでいるとはいえ、さすがに、三週間も休むと言うと、会社の人はみんな驚いていた。でも、部長なんか、意外とのんきなもので、「いっぱい休めていいな」などと言っていた。みんなも気にせず、どんどん休めばいいのに。だって、日本人よ、休みを取れというのは、国家の基本方針?なんだから。とにかく、こうやって休みを取らせてくれた周りの人たちに感謝。さあ、母さんの作ってくれたニッポンのご飯とみそ汁を食って、出発だ。

午前10時。原田くんとの待ち合わせ場所に着くと、ちょっと遅れて酒井さんがやってきた。酒井さんは、なんと、空港まで一緒に行ってくれて、そのまま原田の車に乗って帰ってくれて、われわれが帰国する日に成田に置いておいてくれるんだって。ちょっと、やさ男の酒井さん、しかし、彼も巻き込まれやすいタイプなのかな。いい人なんだね、きっと。

いきなりガス欠

それからしばらくして、いつものように原田が遅れてやってきた。ようやく原田の愛車シティに乗って出発。箱崎から乗って、車は湾岸道路を快調に進む。ところがである・・・佐倉まで後2キロというというところで、突然、原田のあれ~という声がして、車のスピードがぐんぐん落ちてきて、ついに側道に止まってしまった。なんと、ガソリンを入れ忘れていたのだと~。原田が車から降りて、非常電話のとこまで、てくてくと歩いて行った。その間、僕らは車の中から一歩も出る気もしない。そして、非常電話のところから、原田がまた、てくてくと歩いて戻ってきた。その姿に、ついついニヤニヤしてしまった。まだ、日本なのに、早速のアクシデント。しかし、搭乗手続きの時間も迫っているというのに、なんとなく余裕があった。皆で、せんべいを食べたり、記念撮影などをして待ったところで、JAFにガソリンを補給してもらって、やっと出発。ようやく成田に着いた。

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隣に座る謎の女性

午後2時。エア・インディアの搭乗手続きも終わり、飛行機に乗り込んだ。まもなく、飛行機は成田を飛び立った。僕のとなりには、20代後半の女性が1人座っている。しばらくして、時間を尋ねられたので、「どちらまで?」と聞くと、「バンコクまで」と答えた。「観光ですか?」とさらに尋ねると、彼女は口ごもってしまった。それから一呼吸おいて、「私、招かれざる客なんです。」と言う。なんか不穏な雰囲気だが、たまたま乗り合わせた人の話だし、また会うこともないからいいやと思って、ふんふんと聞いていると、彼女には、1年以上つきあっているバンコクに住むタイ人の彼がいるとのこと。今回、その彼に会いに行くはずだったが、今朝、彼の友人から電話がかかってきて、彼には実はフィリピン人の妻子がいて、バンコクの空港に迎えに来るどころか、フィリピンに行ってしまったと言う。でも彼女にしてみれば、航空券も既にとってあるし、電話で言われても信じられないので、とにかく行ってみようということらしい。しかし、世の中にはいろいろなドラマがあります。周りは、インド人、タイ人、香港人など、うさん臭い感じの外国人でいっぱいで、彼女の話もあり、機内はまるで「欲望という名の電車」と化しつつあった。

まさかの成田リターン

しばし、うとうとしていると、突然の機内アナウンス。「当機は、エンジン故障のため、ただいまから、成田空港に戻ります。」「なんだと、ゲェ~~~」時計を見ると、出発してから1時間以上経っている。そして、なぜか20分ぐらいで、成田空港に戻ってしまった。アナウンスがあったのは、すでにかなり戻ってきたところでなんだろう。飛行機マニアに近い原田の話によれば、出発する時からすでにおかしかったらしい。後から、他の人から聞いた話によると、地面を離れるまで、ずいぶん長く滑走路を走ったらしい。「インド人なら、インド人らしく、もっと気合で飛べ」とつい、つぶやいてしまった。成田空港に戻っても、修理のめどが、立たないようだ。しばらくして、機内で食事が出された。この事態を飯でごまかすつもりだなとは思ったが、これはある種正しい戦略だ。人はおなかが空いているだけで、意味もなく怒りっぽくなるものだからだ。

「今日はだめなんじゃない」と原田と話していると、案の定、ホテル待機ということになった。しかも、修理に48時間はかかるというのである。前の席の窓際に座っている女性の話では、成田に着く前に、エンジンの煙が消えたという。普通の状態でも、到着するときはそうなんじゃないかとは思ったが、ひどい故障には違いない。しかし、午後2時から6時までの日本を出国していた4時間はいったい何だったのだろうか?われわれは、この時間を「空白の4時間」と名付けた。

そして品川プリンスへ

午後8時。バスは成田から東京に戻り、今日の夜泊まる品川プリンスホテルに着いた。空港で今日はSuitable Hotelに泊まるという案内があったから、どんなとこかと思ったら、ビジネスホテルじゃないですか。エア・インディアからもらった食事券の限度額ぴったりまで飲み食いした後、家に電話した。その後、ケイちゃんや何人かの友達にも電話したが、今日は楽しいクリスマスの前の土曜日、誰もいない。すぐに寝てしまった。