30年前のインド旅行記

学者兼会社員58歳が30年前のインド、ネパール珍道中日記を書き起こします。

世界を見守る目

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ボドナートとラマ教の信者たち

朝、肌寒い、外はどんよりどころか、もやっている。雨は止んだ。とりあえずジャスミンへ行って朝飯を食う。それから、エア・インディアのオフィスに、リコンファームができたかどうか確認に行く。だいたい、4日に行って、確認が取れるのが今日になるとは。

その後バスでボドナートへ。世界最大のラマ教仏舎利塔、塔の先端の目が四方を睨んでいる。この目が世界の正義を守っているといわれている。この辺りは、アーリア系の顔をした人はほとんどいない。ラマ教の信者たちが、ネパールやチベットの山奥から、はるばるやって来ている。彼らは本当に敬虔な態度で臨んでいる。その姿を見ていると、部外者である僕たちが、ずかずかと入って写真を撮るなんてもってのほかという気がしてきた。サルナートでもスツーパの周りを回るチベット人が見られたが、ここでも塔の周りを多くの人が回っている。右回りに、何回も何回も回ることが彼らの祈りの証なのだろう。

スワヤンブナートの目

ボドナートから戻って、スワヤンブナートに歩いて向かった。雨上がりのぬかるみの上を人や牛や山羊や時々けたたましいホーンの音を残して車が過ぎ去って行く。スワヤンブナートは市の西端の丘の上にある。ボドナートと同じラマ教の寺院だが、カトマンドゥでは古い寺院である。316段の急な階段を登って行くと、ボドナートと同じく二つの目が四方を睨んでいる。階段を登りきって後ろを振り返ると、カトマンドゥの街が一望に見渡せる。赤褐色の街並みを近隣の山並みが囲み、さらにその向こうにヒマラヤの峰々が見える。ボドナートより、このスワヤンブナートの方が僕は落ち着ける。スワヤンブナートの目はカトマンドゥの街を一望に睨んで、街を守っているのかもしれない。街に戻って、再びジャスミンで、MOMO(ネパール風ギョウザ)を食す。けっこういける。

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