30年前のインド旅行記

学者兼会社員58歳が30年前のインド、ネパール珍道中日記を書き起こします。

きゅうり売りの少年

浜でゴロゴロ、物々交換

午前9時起床、朝飯を食って浜へ。今日あたりコナラーク、ブハネーシュアル等、この辺の観光地をバスで回る予定だったのだが、もう、めんどくさくなって中止。とにかく、浜辺でゴロゴロしているのが最高という結論に達する。

浜でゴロゴロしていると又、物売りがやってくる。断るのも飽きてきたので、その時、着ていたポロシャツ(このポロシャツも日本では滅多に着ないやつ)と交換ならいいよと言うと、もっと、時計とかカリキュレーター、あるいはジーンズならよいという。そこでこの旅で持ってきたものの使っていないもの、ウエットティッシュ、スキン(一応旅の備え)、シャツ、ジーパンを部屋から持ってきて、どうかといって、さぁ商談開始。ウエットティッシュの使い方や結婚しているなら、あなたの幸せな家族計画のためにスキンは必要だなんてことを話しているうちに、ワニ皮の財布とジーパン(このジーパンも日本では滅多に履かないタイプ)を交換ということで、商談が成立した。

再び学生と交流

と、そこに一昨日の学生たちがやってくる。今日は休みの日だというが、まぁ暇な兄さんたちだ。政治や宗教、東京のことなど、いろいろ話そうとせがまれる。今日来たのは三人ほど、みんな18~19歳だ。そのうちの一番背の高いやつと話す。僕の英語でもメニューのオーダーやホテルのチェックイン、買い物なんかは何とかなるんだが、そういう話になると、英語の能力のなさを痛感。背の高いやつは政治学を専攻していて、将来は政府の役人になりたいという。まぁ偉い役人になって日本にきてください、その時は案内するからなどと僕も答える。物売りや客引きのえげつなさと、彼らの異様な真面目さが、まったく対称的だ。

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きゅうり売りの少年

彼らが帰った後、又、色々な物売りがやってくる。そこでみんなに、このポロシャツと交換ならOKだよと言っていると、おととい、昨日も来た、きゅうり売りの少年がやってくる。彼は、キュウリをむいてくれる。他の物売りがいった後で、僕にそのポロシャツくださいと彼が言う。別にあげても良かったが、彼がくれたキュウリに対してポロシャツをあげるのは正当ではないと思って、ボールペンをあげる。それでも彼は座って動かない。歌を歌ってくれたので、こちらは、日本の歌の代表?として「星降る街角」と「富士の高嶺」を歌ってあげる。彼は、オヤジがいなくて一人で家計を助けているという。一日の売り上げは31ルピー。キュウリの原価が20ルピーなので11ルピーが儲けだという。彼らから言わせると、日本人はリッチマンだという。確かに、日本人は、平準化しているので、相対的にはリッチマンは多いと言えよう。ただし本当の意味でのリッチマンかどうかは疑問だが。。。

午後はずっとバンガローで本を読みながら海を見て過ごす。夕方になって例の中華料理へ、リキシャで乗りつける。リキシャの兄ちゃんは僕らが食べている間、外で待っているという。食べ終わった後、リキシャで帰って、本を読んでおやすみなさい。午前1時(時間は後で確かめた)原田の呼び声で目が覚める。窓からみると、街の方ですごい音がしている。拡声器の音と人がざわついている雰囲気、又、騒動でも起きたのかと思って窓から見てみる。しばらくすると静かになった。どうなっているんだ、この国は。

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