30年前のインド旅行記

学者兼会社員58歳が30年前のインド、ネパール珍道中日記を書き起こします。

地元学生との交流

インド洋で泳ぐ

朝から快晴、朝飯を食ってお洗濯、その後、海へ直行。浜辺で陽を浴びて時々海に浸かっているうちに風邪も何処かへいってしまう。ポカラの湖も良かったが、やはり僕は、同じなごみでも、山より海の方が性にあってる。インドの人たちは岸辺に浸かっているだけで泳ごうとしないので、ちょっと沖へ出ると、海の中に自分だけになってしまう。遥か彼方まで広がる水平線の中で自分一人だけであると思うと、最高のなごみ気分から一瞬の恐れに変わるのもまた不思議だ。

いろいろな物売りがやってくるが、その中でもきゅうり売りは珍しく、美味そうなので買って食う。日本のものに比べて、太くてずんぐり豊満な感じのきゅうりを、縦に四つ切りして、香辛料をつけて食うのはとてもうまい。

リキシャマンと漁師

午後、銀行に行った後、プリー唯一の中華料理店に行く。店構えからして、値がはりそうだった。そして予想通りちょっと高いが、注文してから最初のスープが出てくるまでの速さには圧倒的なものがあった。味もまぁまぁ。その後、浜へ戻る途中で又、リキシャマンがリキシャいらんかと声をかけてくる。すぐそこの浜へ向かう一本道だからリキシャ乗らないのは明らかなのに、こいつらはバカと違うか。声をかけるにも、もうちょっと頭を使え。ツーリストバンガローのあたりに比べて、この辺にはインディアンスタイルのホテルが並ぶ。この辺りの浜は沐浴するインド人たちで賑わっている。話に聞いたとおり女の人たちもサリーをきたまま沐浴している。

そのうち、けっこう大きい手漕ぎの船で漁師たちが沖へ漕ぎ出していく。荒い波の中をえっちらおっちら、大きくて、重そうなオールを漕いでいる。漁の成果は、いかほどかはわからないが、こうして一生懸命働いている姿はさっきのリキシャマンなどに比べてとても美しいものがある。

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地元学生との微笑ましい交流

浜で夕陽を見ていると、写真を撮っていた原田がいっぱい人を引き連れてやってくる。彼らは浜の近くのホステルで勉強している地元のS.C.S.collegeの学生だという。浜で一緒に歌を歌ったりしているうちに、自分たちのホステルへこいと言う。みょうに親しげで気持ち悪いくらいだ。写真をとってあげて、彼らのホステルへ招かれる。お米を膨らまして砂糖を混ぜたポン菓子みたいなスナックをご馳走してもらってチョロチョロ話をする。ホステルのボスみたいなやつが中心になって盛り上げようとする。そのうちに、空手のポーズをやってくれとか、ディスコダンスを踊って見てくれとか言われる。こちらが渋っていると、そのうちの一人が自分でやって見せる。僕らより、そいつの方がずっとうまい感じだ。地元学生との微笑ましい親交を結んだ後、彼らが僕らの写真が欲しいという。顔を覚えておきたいというのだ。少々気持ちわるいので、今日とった写真を焼いて日本から送るということにした。

その後、バンガローのバーに行ってビールを飲みながら夕涼み。日本の温泉街の片隅に残っていそうな、ひなびたバーだ。水着の女性や浜辺の風景のちょっとシワシワになった写真が飾ってある。まぁこのようにプリーに来てからは、なごみっぱなし。又、今日も、蚊帳をひいて、おやすみなさい。