30年前のインド旅行記

学者兼会社員58歳が30年前のインド、ネパール珍道中日記を書き起こします。

ガンガーの夜明け

ガンガーの夜明け

朝、5時半に起きて、ガート(沐浴場)見物ボート付きの市内観光バスに乗った。インド人の家族1組以外はみんな外人だ。僕らをいれて日本人3組に、フランス人3組だ。ここバラナシに来て特に感じるのは、インドの観光客はフランス人と日本人が多いということだ。ヤンキーはあまりいない。インドの精神世界に惹かれるのは、ヤンキーよりフランス人という感じは、確かにする。ただ、同じ外人観光客で一緒に歩いていても、付きまとわれるのは、決まって日本人だ。日本人てのは、本当にトロくて、チョロイみたい。

遂に、ガンガーに日が登ってきた。昇りたての赤い太陽はまだ光を発しはしない。太陽の丸さがそのまま映しだされている。岸部ではそろそろヒンディーが沐浴を始める。一方、少し離れたところでは朝の洗濯だ。ガンガーが、こういった全てをのみこみ、包み込んでいるのは確かだ。

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ガイドはリノ・バンチェラ

ボートの上では、ガイドのおやじさんの話が始まった。彼の話はかなり練り上げられていて、その口調の抑揚、身振り、手ぶりの解説は、まるでシェイクスピアの芝居を見ているようだ。このおじさん、まぁインドのリノ・バンチェラ(太っているのでローレンス・オリビエにはなれない)といったところか。沐浴でもしてみようかと思ったものの、ヒンディーでもないのに、この寒さの中で、ガンガーに身をつけるのは、結構臭いだろうし、つらいので中止した。ボートはガートにつき、狭い路地を抜けてゴールデンテンプルへ。狭い路地には牛、ろば、犬、そして人が、ただ意味もなくたたずんでいたり、寝ている。寄ってくる物売りを無視して、外からゴールデンテンプルを眺める。さらに、ドゥルガー寺院(別名モンキーテンプル)、バナマスヒンドゥー大学を経て、バスは戻ってきた。